2012年1月4日水曜日
遅ればせながら謹賀新年。
例年、大晦日か元旦から、勤め先の関係とこれまでそんな遣り取りの続いている知己、或いは一方的に送りたい知己、合わせて四~五十名に宛てての年賀状を作製し始めてしまっているのだが、今年は一日の昼過ぎ、初詣を兼ねて散歩していて漸く構想が固まった。
やはりこの所の小生の関心事、いしぶみ(碑)として皆様の迎える年を寿ぎたい。
実は少し前からそんな句碑を墨絵に描けば良いかと思っていたのだが、どうもまどろっこしい。
で、適当な大きさの石に“謹賀新年”と刻し、それを拓に取り、葉書に貼ろうと決めた。小さなメディアはより直接的/触覚的な方が良いのだ。
石はその帰り、道端で手頃なものをいくつか拾った。
しかし、文字を彫ろうとしても篆刻用の印刀も目打ちも歯が立たない。タガネでは大きすぎる。
明けて二日、この日から開店の近所のコーナンで道具を物色、購入するが、ちゃんとした石工用のものは無く、結果は同じである。
結局、ガラスや金属の表面を装飾的に加工するのに良く使われるルーターのキットを購入。電力に頼るのは不本意であったが、これで何とか彫り進められる。
始めは刻風を龍門二十品に倣おうとしていたのだが、起筆や転折の角をとても表せそうにない。
結果的にではあるが、もっと素朴かつアブストラクトな漢代の開通褒斜道刻石の風韻をねらった。
選んだ石の表情も似ている気がする(本は大きな崖であるが)。
http://www.shodo-journal.com/knowledge/classic/ckaitsuhoyado.html
しかしその夜、四行予定していた所、二行目半ばでダイヤモンドの研磨針は摩滅。葉書に住所、宛名を書くことで夜を明かす。
三日、開店を待ちコーナンにスペアの針を買いに行く。
又、これも今回初めてなので拓を採るためのタンポの材料、綿と布をLifeでついでに買って帰る。
彫り進める。残りの行、文字の画数が多かったため、2本セットで買ったスペアも摩滅。細かいところが仕上がらないので、更にスペアを購入に行く。
宵の口、石に慶春の字句は彫り上がる。
謹賀新年 平成壬辰歳 元旦
これを紙に写さなければならない。採拓である。画仙紙は半紙の四等分が葉書よりやや大きくちょうど良い。霧吹きで湿らせた紙を石に刷毛で打ち込む。生乾きのところにタンポで墨を乗せる。墨の付け過ぎは禁物、軽く手際よく叩く。これが蝉翼拓である。拓の採れた画仙紙を昨夜宛名も書いた台紙に併行して貼ってゆく。十分乾いたものから、葉書よりはみ出た画仙紙を裁ち落とす。明方にほぼこれらの工程を終え、年賀切手を貼り、人によって一筆添え、落款印を捺す。
職場の人には何とか仕事始めの前に届いて欲しい。葉書約40枚を携え、地下鉄に乗り、40分。中央郵便局、時間外窓口のポストに投函。
寒波に冷やされつつ、市街のあちこちを寄りながら帰宅。
今、これを記す。
年賀状を送った人にも、送ってない人にも、遅ればせながら謹賀新年である。
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